Megumi Yokoa

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2016年最初の動画がこれになります。

 昨年は、ストックホルム合意の履行を巡ってゴタゴタしただけの一年となりました。一昨年末には、外務省が拉致被害者家族をはじめ一般的な良識のある国民の多くの反対や疑念の声を押し切って訪朝、北朝鮮の宣伝活動のお手伝いをしただけという惨めな結果に終わっています。

 日本には様々な問題や課題がそれこそ山の様に存在していますが、それらの中でもこの「拉致問題」が重要かつ喫緊の課題であると私は認識しています。

 尖閣侵略、竹島・北方領土の領土問題、中国の沖縄取り込み、消費増税をめぐる攻防、TPP、台湾、チベット・ウィグル問題等、THKサイトで取り上げるネタだけでも、これだけの問題が存在しています。しかし、それよりなによりも「拉致問題」こそが重要な問題であると考える理由は、それが「日本の根本的な価値、あるいは理念」を揺るがす問題であるからです。

 先に述べた様々な問題について考えるとき、「その判断が『日本』にとって良いかどうか」というのが基準になります。そうでない人も勿論いるわけですが、話がややこしくなるので省略します。チベット・ウイグル問題は、日本というより民主主義・自由社会とファシズム・共産主義との闘いになる為、直接的に日本が云々という話ではないのですが、それも取りあえず話がややこしくなるので省略です。ここで言うのはあくまで一般論です。

 ところがこの拉致問題だけは「その判断が日本にとって良いか悪いか」というものではなく、「日本であるか、日本をやめるか」ということが問われている問題なのです。自国民を他国に暴力的に拉致されて、犯人(国・地域)が堂々と名乗りをあげているにも関わらず救出することなく、非人道的な国・地域に放置し続けているわけでが、はたして「国民を守らない国」は国足りえるのでしょうか。

 ネット上で「民度」という言葉が見られ、日本はあたかも「民度が高い」かのように使われる場合が多く見受けられます。それは果たして本当でしょうか。というか一体とこと比較して言っているのか。まぁ…わかってますが…。

 妄想から生み出された慰安婦少女像を、日本大使館前に立てて呪詛を行っている国や、21世紀の今日でもチベット・ウイグルで虐殺を続けている中国よりは、確かに民度は高いかもしれません。しかし、そんなところと比較して「民度が高い」なんて言っても、自慢にもなりません。

 1985年 イラン・イラク戦争時にテヘラン空港に取り残された215名の日本人。お花畑な平和主義に毒されていた日本は何の手も打ち出せず、実質的にこの215名を見捨てています。その時、たまたま天祐に恵まれてトルコ航空がいたおかげで、215名は無事に脱出することができました。もちろん日本には色々な事情があったわけですが「実質的に見捨て」ています。

 215名が救出される際、本来その飛行機に乗るべき葯600名のトルコ人達は、危険な陸路を車で三日かけて脱出します。誰一人として、そのことに文句を行った者はなかったそうです。

 さて、もし逆の立場だったらどうなっていたでしょう? というかその場合、日本人の乗客たちは、自分達の身を危険にさらしてトルコ人を助けていたでしょうか。もちろんIFの話ですが、当時の日本政府(=日本社会)の対応を見ていれば、甚だ疑問です。さて日本人とトルコ人どちらの民度が高いのでしょうか。まぁ答えは人それぞれかもしれませんが、それでも中韓の民度と比較する時よりは、おそらく迷う時間は長いはずです。

 この「民度」という言葉が使われるような言説を見る度に、

「自国民を北朝鮮に何十年も放置したままにして、今なお本気で取り返そうとしないのに何言ってるの?」

と思うわけです。

 特に昨年は安保法案の通過を巡って、激しいお祭り騒ぎがありましたが、そこで最初に出てきて、最も重要に取り扱われてしかるべき『拉致問題』がほとんど語られなかったことに衝撃を受けました。

 反対派の声には「個別的自由権で十分」というものがありましたが、そもそもそれが発動できてません。本気でそう言っているなら拉致被害者が存在する現在、今すぐにで発動すべきもののはずです。

 賛成反対いずれの声にも、只今この瞬間も主権を犯されて北朝鮮に囚われている日本国民に対して、一切無視を決め込むかのような日本人の冷酷な姿勢に(もちろん自分もその罪深い中の一人です)、正直、背筋が凍る思いがしました。自分の家族が北朝鮮に拉致されないとわからないものなのでしょうか。それとも家族が拉致されても何にも思わないものなのでしょうか。

 私自身は自虐史観を憎む者です。日本に対して誇りを感じることは色々な場合にあるのですが、その時には必ず胸にチクリと『拉致問題』が突き刺さってくるのです。

「日本国民を救出しようとしない日本、それは日本なのか」

 国民を救出しようとしない日本。そんな日本が、国際紛争、領土問題、経済対策、社会保障等の様々な問題で『一体誰のための』対策を行うのか。かなり疑問です。