【移民問題】日本が外国人労働者に見捨てられる日

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日系人に代わって増える技能実習生名目ばかりの「国際貢献」の弊害とは

――人口減少が本格化してくるなか、外国人労働者を受け入れて労働力を確保しようという動きが再び活発化しています。バブル期や2000年代のミニバブル時など、外国人労働者は長らく、雇用の調整弁としての役割を期待されてきました。

まず、明確にしておかなければならないのは、日本はまだ「外国人労働者を受け入れていない」というスタンスを崩していないということです。しかし、現実に彼らは存在している。

どういうことなのかというと、まずは日系人に関しては、1990年の入国管理法改正を契機として、ブラジルを中心に、ペルーやアルゼンチンといった国から、大勢やってきました。彼らの多くが業務請負の、いわゆる派遣労働者として、自動車産業などを支えてきた。しかし、入管法改正は、あくまでも「定住者として認める」というスタンスで、「外国人の労働を認めます」とは言っていない。ただ、「定住するのだから、働くのも当然アリでしょう」というような、いわば黙認のかたちを取ったのです。

 2008年のリーマンショック後、大量の派遣切りが行われ、多くの日系人が母国へ帰りました。ブラジル人については、08年には約32万人が日本にいたのに、昨年末は18万人弱に減りました。激減した日系人に代わって増えているのが、技能実習生です。

彼らは3年間、単身で日本にやってきて、指定された対象業務(農業、漁業、建設業など71職種130作業)に従事します。日系人と違って定住はできず、同じ業務での再入国も認められていません。最近、3年を5年に延長することなどが閣議決定され、人手不足解消に役立つのではないかと期待されていますが、そもそも、この「技能実習制度」というのは、「国際貢献」という名目なのです。

つまり、日本の技術を実習生たちに教えて、自国で活躍してもらおうというのが、本来の趣旨なのです。にもかかわらず、いつの間にか人手不足解消のためといって、実習制度が濫用されている。これは、実習生たちにとってのみならず、実は日本企業にとっても深刻な弊害があるのです。

日本が外国人労働者に見捨てられる日 ――丹野清人・首都大学東京 都市教養学部教授に聞く|シリーズ・日本のアジェンダ 崖っぷち「人口減少日本」の処方箋|ダイヤモンド・オンライン


 

・入管法改正は「定住者として認める」だけで「外国人の労働を認めます」というものではない。あくまで黙認のスタンス。
・国際貢献という言葉に酔いしれた結果、例えば造船業においては、日本で技術を学んだ人達が自国に戻って造船業を発展させ、現在の日本の造船業は、韓国や中国と熾烈な戦いを強いられている状況です。
・こうしてライバルを企業は、3年かけて育てては送り返し、また新しいライバル候補生をイチから丁寧に教えていかなければならないという、自らの首を絞め続ける矛盾。
・外国人が日本に外貨を稼ぎに来ているのだという思い込みと現状の変化。

hachihachi